「ヘルシーワークプレイス(健康で安全な職場)」セミナーに参加
東京都看護連盟会員の皆さまへ
寒暖の差が激しい天候が続いておりますが、会員の皆さまにおかれましては如何お過ごしでしょうか?日頃より看護連盟活動にご支援、ご協力いただきましてありがとうございます。
うれしいニュースがありました。看護職の代表であるあべ俊子衆議院議員が外務副大臣、たかがい恵美子参議院議員が厚生労働副大臣に、そして石田まさひろ参議院議員が厚生労働委員長に就任されました。私たち看護職にとっては喜ばしい限りです。
10月3日、JNAホールにおいて「ヘルシーワークプレイス(健康で安全な職場)」セミナーが開催され、約250人が参加しました。
日本看護協会では、平成30年度から「看護職の働き方改革」を重点政策の1つに挙げ、3月に「看護職の社会経済福祉に関する指針~看護の職場における労働安全衛生ガイドライン~」(2004年)を改訂し、「看護職の健康と安全に配慮した 労働安全衛生ガイドライン ヘルシーワークプレイス(健康で安全な職場)をめざして」を取りまとめ、公表した。ヘルシーワークプレイスという言葉はまだ定着していないかもしれないが、WHOが2012年に提唱したもので、日本看護協会がこのヘルシーワークプレイスを活用して健康で安全な職場づくりに取り組んでいく。看護職の働く場が多様化するとともに、労働環境が厳しさを増している。厳しい状況は看護職のモチベーションにも影響する。また、近年、職場の暴力・ハラスメントも問題になっている。今回のセミナーでは、これらの問題にどう取り組むか、講師の方からお話を伺った。
プログラムの内容は、日本看護協会の担当者の方々より「看護職の労働安全に関する日本看護協会の取り組み」「労働安全衛生ガイドライン~ヘルシーワークプレイス(健康で安全な職場)を目指して」、外部講師より「何故ハラスメントが起こるのか~ハラスメントを認めない職場づくり」「職場のメンタルヘルスと組織の活性化」であった。
「労働安全衛生ガイドライン」改定の背景となった看護職の「労働安全衛生」をめぐる課題として、●従来から「業務上の危険」がより深刻化、複雑化したこと ●情報テクノロジーの急速な発展に伴う健康影響への関心 ●就業者の平均年齢の上昇(43歳) ●健康上の問題や治療と職業生活との両立 ●患者(利用者)からのハラスメントの深刻化等が挙げられ、看護職が長期にわたる職業人生を健康で全うするには、看護職自身による心身の健康保持や健康づくりが必要であること、個別性に応じた適切な労務管理や業務マネジメントが求められること等が話されていた。暴力・ハラスメントに対する国などの動きとしては、「働き方改革実行計画」⇒職場のパワーハラスメント防止を強化するため、政府は労使関係者を交えた場で対策の検討を実施。また、「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」報告書(平成30年3月30日)⇒報告を受けた労働政策審議会雇用環境均等分科会での検討を開始した。「過労死等防止のための対策に関する大網」の変更(平成30年7月24日)⇒職場のパワーハラスメント、セクシャルハラスメント、妊娠・出産等に関するハラスメントを包括的に「職場におけるハラスメント」として位置づけ、その予防・解決のための取り組みを記載。国際労働機関(ILO)において「労働の世界における暴力とハラスメント」の禁止に向けた新たな国際労働基準の策定が行われている。ということであった。
日本看護協会が目指す「ヘルシーワークプレイス」とは、保健・医療・福祉のヘルシーワークプレイス(健康で安全な職場)」は、職場を取り巻く地域社会や患者(利用者)も含めて、全ての人々が互いの人権を尊重しあうことを基本として、(1)一人ひとりが健康で安全に自分らしく働きながら自己実現していく故tができる職場環境・風土 (2)組織が職員を業務上の危険から守り、一人ひとりの健康支援に取り組む職場環境・風土 (3)職員と組織の活力を生み出すことで、患者(利用者)へのケアの質を向上し、社会への貢献を目指す職場としています。私たちも「労働安全衛生ガイドライン」を確認し、それぞれの組織・看護管理者・看護職一人ひとりが取り組むこと、地域・社会・患者(利用者)と共にできることをすることが大切であると感じた。
また、政府は「働き方改革」関連法案を成立させ、事情に応じた多様な働き方を可能にし、一億総活躍社会を実現することを目指しています。この「働き方働き方改革」は、下記のようなものです。
「同一労働同一賃金」は同じ内容の仕事には、世期・非正規の差なく同じ水準の給料の支払いに改めることです。
「長時間労働の禁止」は残業時間について、これまでも労使協定によって月45時間の取り決めがありましたが、機能していないこともあり、月50時間を超える時間外労働賃金率が50%となりました。
「有給休暇取得の義務化」は、日本の有給休暇の取得率が諸外国に比べ低いことが問題視され、年間5日の有給休暇を付与することが義務付けられました。
現在、医師の働き方改革が検討されていますが看護職にも大きな影響があるものと推察されます。看護職が少しでも良い環境で看護の仕事ができるように注視してゆきたいと思います。
会員の皆さまには、今後とも東京都看護連盟活動にご支援、ご協力賜りますようよろしくお願い致します。