平成30年度診療報酬・介護報酬改定
東京都看護連盟会員の皆さまへ
桜の蕾も膨らみ、春を身近に感じる今日この頃ですが、皆さまにおかれましては年度末の忙しさに加え、4月からの診療報酬・介護報酬改訂など、お忙しい日々をお過ごしのことと思います。
平素より、東京都看護連盟の活動にご支援いただきましてありがとうございます。今回は、診療報酬・介護報酬に関わる石田まさひろ議員の活動をご紹介したいと思います。
*「一般病棟入院基本料 7:1」の維持
入院基本料の区分が「看護職員数」から「患者の受賞度に関する実績」を基準とする体系に激減します。現場感覚からすると「7:1」でさえ少ないのに、急性期病院が看護職員の配置を「10:1」に減らす懸念が生じています。こうならないよう厳しい折衝を重ね、なんとか「7:1」の基準は残せました。しかし、今後は病院毎に、入院患者の状態に応じて看護職員数をどうするか、経営陣と説得力を持って交渉することが求められます。
*外来看護の役割を変える「入院時支援加算」の新設
外来看護の役割が変わります。入院診療計画の作成や説明、看護計画の立案などを外来で行うことへの評価である「入院時支援加算」が外来の点数として新設されました。病棟看護の立場からすると入院時のプロセスが大幅に縮小します。退院調整から退院後までを見据えた“入院調整”が外来の仕事となります。
*記録・事務作業の合理化・簡素化に向けた見直し
「記録や手続が増え、ベッドサイドケアの時間が減っている!」という現場の声が噴出しています。これに応えたく当局と折衝を繰り返しました。看護連盟の力も強くあり、これまで20年以上にわたり増加してきた記録類を合理化・簡素化の方向で見直すことが決まりました。今回が第一歩。各現場でも記録の見直しが進むことを期待しています。
*療養病棟等の「夜間看護配置加算」の新設
療養病床に重症患者が急増。人工呼吸器装着や経管栄養の方も多く、どこよりもケアのための人手がたくさん必要な状況となっています。”療養にも人手を”と訴え続け、今回ようやく「夜間看護配置加算」の適用など療養病床の充実の方向に向けた改定が出来ました。
*看取りのための環境整備を強化
終末期を豊かに過ごしきるための支援は看護の腕の見せどころ。そのための環境整備が必要です。”尊厳死”と関係する「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」が必須となります。豊かな看取りが進むことを期待しています。
*訪問看護における看護職の複数名訪問、過疎地への訪問看護加算の条件緩和
訪問看護は、現実は殆どが一人での訪問になっていますが、本来は複数のスタッフで行われるべきです。今回は複数名訪問の対象を「利用者の身体的理由」にも広げました。さらに、過疎地の訪問看護では、移動時間がかかるため、従来の過疎地にあるステーションから訪問に加え、過疎地域以外から訪問する際にも「特別地域訪問看護加算」の適用が拡大しました。
以上、石田まさひろ議員の活動報告をさせていただきました。私たち看護職の声を政策に届けるためには、看護職の議員が必要であるということを痛感していただけると思います。これからも、私たち看護職のことは看護職の力で実現してゆくために、看護職の議員を政治の場に送り続けなければなりません。今後ともご協力よろしくお願い致します。